今回は小学校における広報委員の仕事について掘り下げていきます。
制作方法、発行頻度によって変わる
多少なりともパソコンを使って作るところがほとんどだと思いますが、当然委員のパソコンスキルによって制作時間は変わってくるでしょう。
さすがにすべてアナログで作るところはほとんどないと思います。
時にはアナログな方法が良い場合もありますので、柔軟に対応していきたいところです。
また、最近は制作のほとんどを業者に任せるところもあるようです。
お金はかかりますが、委員の負担は少なくて済みます。
また、年に何回発行するのかも大きなポイントです。
実際どんなふうに制作しているのか
- 企画会議
- 写真撮影、原稿依頼、文章作成
- 写真選定、レイアウト
- 印刷会社へ引き渡し
- 配布
大まかな流れはどこも同じだと思います。
委員の集まる頻度、写真や文章のボリュームなどは、同じ学校でも年度によって委員の色が出ますのでなんとも言えませんが、最初の集まりの段階で、方向性を決めておくとスムーズです。
発行までのリアル
ここからは実際に私が広報部長を引き受けたの流れを書きたいと思います。
少しでも参考になれば幸いです。
全員集まるのは年3回
私が部長の時は、なんと全員広報未経験者!
でも逆に、これは自由にできるな!と思い、なるべく集まる回数を減らすことを意識しました。
学期に1回、学校公開日(いわゆる参観日)のある土曜日に集まり、委員の事情を聞きながら仕事の分担を決め、その後はLINEや、行事の時に進捗を確認するという感じでした。
IT化で会わずに共有
編集担当に写真を預けたり、文章の確認や校正などといった作業は、広報専用のGoogleドライブを作ってアップしていました。
パスワードを知っている委員なら誰でも閲覧できるので、気がついたらすぐ修正できます。
学期ごとに担当入れ替え制
うちの学校では学期ごとのテーマがほぼ決まっていたので、異論がなければ基本的に前年踏襲です。
委員は6人いるので、学期ごとに2人ずつ担当を割り当てました。
- 1学期号 1、2年
教職員紹介、1年生にアンケート依頼(テーマ:小学校でやりたいこと等)、原稿回収、校長、PTA会長にあいさつ文依頼(これは面識ある私が依頼して、メールで原稿をもらいました)。
- 2学期号 3、4年
運動会、PTA活動紹介、学芸会など秋に行われる行事。
2学期は行事が多い時期なので、写真の量が多めです。
- 3学期号 5、6年
6年生にアンケート依頼(テーマ:6年間の思い出等)、原稿回収、執行部に原稿依頼。
【撮影】撮りに行ける人が撮りに行く
2人のうち1人が写真撮影、選定、もう1人がレイアウト担当と決めていましたが、このへんは流動的で、たまたま学校に行く用事があった委員や、時間の撮れる委員が撮影していました。
運動会など学校全体の行事の時は、自分の学年をそれぞれ撮影しました。(近くで見れるのでメリットです!)
6学年ぶんとなるとかなりの枚数になるので、あらかじめ3~4枚程度撮影者のほうで選別し、編集担当の委員へ渡していました。(ここでもGoogleドライブやLINEが活躍です)
【誌面レイアウト】Illustratorで作成したフォーマット
先人に、印刷会社にお勤めのプロフェッショナルがいらしたのでフォーマットはIllustratorでしっかり作りこまれたものがありました。(ちなみにIllustrator/イラストレーターというのは画像編集のプロも使うパソコンソフトのこと)
何パターンかあるので、その中から内容に合ったものを選び、文章や写真の順番を決めます。
レイアウト用のものはPDFで保存されていたので、PDF編集できるパソコンを持っている委員は、パソコンで作業していました。
ちなみに私の場合はPDF編集ができないパソコンだったので、プリントアウトして、手書きで書き込みました。でもたとえPDF編集できるパソコンだったとしても、すごく時間がかかると思うので、どのみち手書きで進めたと思います。
そして手書きのものをスマホで撮影しデジタル化!(笑)
【入稿】【校正】実は一番消耗したところ
レイアウトが終わったら印刷会社に依頼し、原稿を仕上げてもらいます。
「入稿(にゅうこう)」と言います。
写真、文章に番号をふって、〇番の写真はここ!と、フォーマットと紐付けた指示書を素材(写真、文章)とともに渡します。
「一番消耗した」というのは、担当者とのやりとりのことです。
変なところで改行になっていたり、写真や文字の位置がずれていたり、その都度細かく修正を依頼するのですが、意図がうまく伝わらず、そうこうしているうちに締め切りが近づいてきて、精神的に消耗してしまったということです。
他の学校の校正(修正)は、3回くらいで済むところが多いみたいですが(私調べ)うちの場合は5~6回はやり取りしていましたね。
これなら、こっちで写真や文章のはめこみまでやって、印刷だけお願いしたほうが早いんじゃないかと何度思ったことか。
こういうところが未経験集団の辛いところです。本当は何かコツがあったのかもしれませんけどね。
掲載不可の児童がいないか、漢字の使い方に間違いはないか等を副校長先生に確認してもらい、OKが出たら、いよいよ印刷です。
【印刷発注】業者さんとのやりとりは部長担当
やっと出来上がった原稿の最終データを受け取ったら、印刷の注文をします。
お金をいったん立て替えないといけないということもあり、業者さんとのやりとりは部長である私が担当しました。
印刷代含む制作費はトータルで5万円くらいでしたので、引継ぎのときに頭に入れておかないと、立て替えのとき焦ります。
支払いが終わったら会計さんに領収書を渡して清算です。
データを送るのには様々な方法がありましたが、私はGoogleドライブで共有をオンにし、URLを貼り付けるかたちで入稿しました。
スマホからできるのでとても便利です。
ちなみにパソコンやスマホでは難しい場合、データを郵送することもできます。
印刷は仕上がりまでの日数で料金が変わり、1日、2日仕上げに対応可能なところはそのぶん料金も割高になります。
4日目以降くらいから安くなるところが多いので、余裕をもって発注できるといいですね。
配達予定日が確定したら、学校側に伝えておくとスムーズです。
【配布】ここまでくればあと少し
学校に広報誌が届いたら間違いがないか確認し、地域、他校配布用と、校内配布用に分け、郵送が必要な場合、その手続きをします。
ちなみにうちの場合校内用は、まとめて渡すと先生のほうで分けてくださいました。
最後に
任期を終えてから気づいたのですが、一般的に広報部はやりたくない人が多いみたいですね。でも、うちの学校は不思議とスムーズに決まっていました。
経験した人に話を聞いても、他の役のほうが大変だと思う、と言っていたので、やはり人によりけりです。
あと、前年の出来が良いと、比べられてしまうこともあるみたいですが、そのあたりはうまく流して、できる範囲で無理なくやるのが一番です。
やり方によってはパソコンをあまり使わなくてもできますし、スマホで対応できますので、そのあたりはあまり心配しなくても何とかなるのではないかと思います。