執行部の任期について

今回は執行部役員の任期について考えてみます。

 

PTA役員,執行部

 

 執行部役員、なぜ何年もやっているのだろう?

「〇〇年度執行部役員」と書かれたお知らせ。

 

名前を見て「あれ?この人今年もやるんだ?」と思ったことはないでしょうか。

 

自分が役員を引き受けるまでは「何年もやりたい人っているんだな」と何となく思っていましたが、今は再任する人の気持ちもわかります。

実際私も書記3年目ですからね。

 

うちの小、中学校は基本的に1年任期なのですが、理想は2年任期だと思っています。

(でも実際は2年以上やる人が多い)

 

なぜ2年か

1年だと、前年のやり方を踏襲するだけになりがちです。

たとえ今まで役員の経験があったとしても、役が変われば1年目から全体を把握するのは大変でしょう。

特に未経験だと「ただ言われた通りに1年やって終わり」になってしまうかもしれません。

もし無駄な業務を減らしたい、など改革を望んでいる場合は、まず1年様子を見て2年目から取りかかるほうが成功しやすいと思います。

やはり、1年目より2年目からのほうが発言力は増すものですし、1年目の人と組めば、そこでまた新たな視点を得ることができ、客観的に見直すことができます。



2年任期を明確に定めていない学校でも、実際は全員1年目!という執行部はないと思うので(多分…)、1年目の役員さんが気づかない部分は再任者がフォローすればいいと思いますが、そのバランスによっては大変かもしれませんね。

 

 ・再任者が多いと、1年目のプレッシャーが大きくなる可能性

・1年目の人が多いと、フォローが大変

 

理想は再任、新規と半分ぐらいですが、現実的にはなかなか調整が難しいかもしれません。

2年任期ならば実現しやすいかもしれませんが、デメリットとしては引き受ける側の心理的負担が重い点でしょうか。 

任期が長いことの弊害

任期が長いと、選出する側としては楽です。

やはり役員決めは難航する場合が多いですから、再任者が多ければ、新たに決める人数も少なくなり、手間がかかりません。

 

なので、全員が同じ役を数年間続けることはないと思いますが、違う役で執行部に留まり続けることは珍しくなく、役は違えど顔ぶれは同じという学校も少なくないでしょう。

 

そうなると、意識せずとも独特の雰囲気が生まれてくるものです。

 

役員をやったことがない人から見たら余計にその「近寄りがたい空気」を感じてしまうかもしれません。実際、私も委員を引き受けるまで勝手ながらそんな空気を感じていました。(場合によっては専門部から執行部に対しても近寄りがたさはあるのかも)

 

そしてそんな「できあがった関係」に入っていくことに抵抗を感じ、役員を引き受けたくない気持ちが強まってしまうのです。

常連ばかりのお店に一見で入るような…。あるいは第一子の公園デビューのときのような…。

 

そういった人間関係の固定化を避けるためにも2年くらいがちょうどいいのではないかと思います。

 

人間関係


新陳代謝を促すために

PTAに限らず、会社組織でもそうですが、やはり長年同じような顔ぶれだと新陳代謝が鈍くなって、なあなあになりがちです。

 

また、同じ役職についている場合、長くなるほどだんだん自分のやり方に執着が出てきていわゆる「マイルール」を持ち出すことになりかねません。(人によっては1年やっただけでそうなる人もいるとは思いますが)そんな人から引継ぎを受けたら、どうなるのか想像がつきますね。「前任者の口出し」が嫌だった、というのはままあることです。

 

人は変化を恐れる

既存の役員が、1年目の役員と組めば、引き継ぐ際に新たな気づきを得られます。

もしかしたら今までのやり方を否定されることもあるかもしれません。

そういう可能性を考えたら「安全な気の知れた仲間」で仕事をしたいと思うのはわかります。(正直、私も自分の任期中は今のメンバーでいてほしいと思っていますし)

でも、違った意見を聞いてこそ、よりよい組織へと成長していけるんだと思います。

 

「変化を恐れる」というのは保守的な現役員/委員、そして役員/委員を引き受けたくない人共通の心理だと思います。

 

具体的に言うと、現役員/委員で「今の自分たちのやり方を変えられたくない」と思う人、PTAを避け「委員/役員をやることによって今までの生活が変わるのが嫌」と思う人、両者とも「変化」に対して恐れや不安を抱いているということです。

 

 例えばスリム化推進/反対も変化への対応が問われます。

ruinaj.hatenablog.com

 

となると、変化を避けるもの同士交わることはなく、互いの世界にこもってしまい、そうするとますます両者の溝は深まります。

極端な場合「PTAなんてやりたい人が勝手にやればいい」そして、やっている側としては「自分たちはよくわかっている、知らない人に意見されたくない」ということにもなりかねません。

 

でも根底にある「変化への恐れ」が同じなら、お互いの恐れ=不安を解消するため、話し合う機会があれば極端なもめ事には発展しないのではと思うのです。(いったん膠着状態になってしまったら難しいとは思いますが…)

 

わかりやすく極端な構図で話を進めましたが、お互い進歩的な考えだった場合もっと柔軟に対応できるのではということです。

 

例えばPTA退会に関して。

学校とPTAが恐れず退会を受け入れることができれば、そして会員側も恐れず退会を申し出ることができればいいのですが、実際はこじれる場合が多い。

それはやはり「学校側やPTA側が保守的で変化を嫌っているから」だと思います。

会員側が変化を乗り越え現状をより良くしようと思っていても、学校やPTA側が頑なな場合、もめるケースになりがちです。「みんな入っているものだから」と、考えることを放棄してしまっています。

 

人は防衛本能の働きで極力「今まで通り」を好むものなんだそうです。

でも、変化を拒み続けていたら、そのうち周りに取り残されてしまいます。

特に学校はそれが顕著に現れやすい場所ですし、PTAにも同じことが言えるでしょう。とはいえ、急に学校を変えることは難しいので、それならPTA側でできること──、例えば先に述べたように、役員の任期を2年までにする(同じ人を2年以上留まらせない)などの取り決めを行い、なるべく色々な人に役員をやってもらうことが思考停止を免れ、風通しを良くする一歩になるのではないかと思います。(あくまで理想論です。実際私は役員3年目…初心を忘れず頑張ります)

 

最後に

まずは自分が新たな意見に耳を傾け、新たな環境を受け入れるということを意識する。

そうすれば変化するチャンスが来たとき、一気に道が開ける可能性があります。たとえ悪い結果になっても、そこに対処していくことが成長につながるのではないでしょうか。

 

参考文献【チーズはどこへ消えた?】変化に対して気づくヒントになった本です

 

参考サイト

人が「変化」を恐れる理由とその対処法 

https://www.lifehacker.jp/2013/02/130220afraid_of_change.html